2018.12.25
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不動産投資

いつ売るかで税率が変わる?不動産を売却する時の注意点

(写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)
(写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)
個人で不動産を所有している場合、売却のタイミングによって所得税の税率が大きく変わります。不動産を売却した時の税金の仕組みをきちんと押さえておくことで、損することなく最適なタイミングで不動産を売却することができるでしょう。

不動産を売却した時の税金

個人で所有している不動産を売却した時は、譲渡所得税がかかります。譲渡所得税は分離課税と呼ばれ、給与所得など他の所得にかかる総合課税の税金とは区別して計算する必要があります。

勤め先から受け取る給料や不動産の賃貸収入、公的年金や保険会社から受け取る満期金などは総合課税として、すべて合算して所得税を計算します。総合課税では所得が大きくなるほど所得税率も高くなるという仕組みで、最大で45%もの所得税がかかります。

これに対して、分離課税の場合は他の所得とは合算せずに計算することができます。また、税率も一定で、売却額に応じて高くなるということはありません。分離課税の対象となるのは、株式や土地・建物などの不動産の売却、退職金などです。総合課税の所得税率が高い方にとっては、分離課税は有利に働くことが多いです。

不動産を売却するタイミングで税率が変わる

譲渡所得の税率は2種類あり、売却のタイミングによって変わります。不動産の所有期間が5年以下であれば「短期譲渡」とされ、所得税率は30%、住民税率は9%です。不動産の所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡」とされ、所得税率は15%、住民税率は5%です。

5年を超えるかどうかで税金が約半分になるので、不動産売却のタイミングは慎重に検討しましょう。また、税金の計算上、不動産の取得・売却の日を「契約日」にする場合と「引き渡し日」にする場合があります。原則として引き渡し日とされていますが、契約日を売却のタイミングとして申告することも認められています。

購入した時の資料を保管しておくと控除できる

譲渡所得税は、不動産の譲渡価額から「取得費」や「譲渡費用」を控除した金額に対して課税されます。

取得費とは、不動産を取得した時にかかった費用のことです。土地や建物の購入金額はもちろんですが、仲介手数料や登記費用などの費用も合わせて控除することができます。

購入時の資料がない場合は、取得費は譲渡価額の5%しか計上できません。購入時の資料があるかないかで税金の金額が変わってくるので、不動産を購入した時は仲介手数料などの領収書も含めて、大切に保管しておくようにしましょう。なお購入時の資料が申告後に見つかった場合は、修正申告をすることができます。

譲渡費用とは、売却時にかかった費用のことです。仲介手数料や立退料、印紙代や登記費用などが含まれるので、領収書など根拠となる書類を大切に保管しておきましょう。売却のために測量をした場合は、その費用も含めることができます。また、建物を取り壊して土地を売却した場合、建物の取り壊し費用も譲渡費用となります。

給与所得については確定申告の際に源泉徴収票の原本を提出する必要がありますが、譲渡所得税の申告では、領収書などを税務署に提出する必要はありません。しかし、後日税務署から連絡があり契約書のコピーの提出を求められることがあるため、不動産関係の書類は大切に保管しておきましょう。

また、譲渡所得に関して税務調査が入ることもあります。税務調査では根拠資料の提示を求められるため、取得費や譲渡費用の根拠となる契約書や領収書はまとめて保管しておくと安心です。

マイホームを売却して損が出た場合

所有期間が5年を超えるマイホームを売却して譲渡損失が出た場合、要件を満たせば損をした金額を他の所得から控除することができます。もしその年の他の所得から控除しきれなかった場合も、3年以内なら翌年の所得からも控除できます。

適用するための要件には、親族への売却ではないこと、既に引っ越している場合は住まなくなった日から3年以内の売却であること、その年の合計所得金額が3,000万円以下であることといったものがあります。

文・木崎 涼(医療機関専門のファイナンシャル・プランナー/M&Aシニアエキスパート)

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