2018.11.3
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不動産投資

これから不動産投資が熱くなるアジア都市はどこ?

(写真=r.nagy/Shutterstock.com)
(写真=r.nagy/Shutterstock.com)
資産運用先として人気の海外不動産ですが、日本からそれほど遠くなく、成長が著しいためアジア圏への投資を検討している人は多いでしょう。香港やシンガポールなど一部のアジア都市は既に価格が高騰しているため、それに続く投資先としてフィリピン、インドネシア、ベトナムの都市が注目を集めているようです。

ベトナム--急成長中のハノイ、ダナン、フーコック島

かつての中国を思わせる勢いで急成長しているのは、ベトナム南部のホーチミンです。PwCの「都市開発ランキング」ではシドニーに次ぐ世界第2位、「投資見通しランキング」では世界第5位にランクインするほど急成長を遂げています。大規模な地域開発者やプライベート・エクイティ・ファンドの増加に伴い、中国で見られた不動産価格のインフレが起こるとPwCは予測しています。

官僚主義を維持するベトナムですが、規制は徐々に緩和されており、東南アジアの発展途上国の中では比較的投資しやすい環境といえるでしょう。

しかし今からベトナムの不動産に投資するのであれば、既に価格が高騰しているホーチミンよりも、首都ハノイや海岸沿いに位置するダナン、タイランド湾に浮かぶフーコック島などが狙い目となるでしょう。

ホーチミンへの不動産投資は住宅部門に集中しています。住宅販売は過去3年間で堅調に推移しましたが、あるホーチミン市の投資家は「土地の価格が高騰し過ぎたため、リターンに見合わない」と言います。

米国の総合不動産サービスCBREの調査によると 、2016~2017年にかけて、ホーチミンでは約12億ドル相当の居住区と新築住宅用不動産が開発業者及び企業によって買収されています。ホーチミン最大のハイエンド開発「ゴールデンリバー」では、2ベッドルームのアパートが最低37万ドル、3ベッドルームのアパートが49万ドルと決して安くありません。

ハノイはホーチミンほど発展していないものの、韓国サムスンが2016年にホーチミンに続く研究開発(R&D)センターの設立計画を発表するなど、今後の発展が期待されている都市です。この計画は3億ドルを投じてホアンマイ区にベトナム最大級のR&Dセンターを建設するというものです。現時点では実現していませんが、「多くのビジネスがサムスンの支援に動いている」とフィナンシャルタイムズは報じています。

ダナンやフーコック島では、裕福なベトナム人や国外からの観光客による別荘の購入・レンタルの需要増加が、居住用不動産の価格を押し上げています。CBRE のデータによると、2016年~2017年にかけて、ダナンのバケーションヴィラの平均価格は1平方メートルあたり200ドル増の2,500ドル、フーコック島は300ドル増の2,400ドルに値上がりしています。

フィリピン--オフィス不動産を狙うならマニラ?

国外の投資家を誘致する政策やインセンティブ、国外の出稼ぎフィリピン人労働者からの送金が追い風となり、フィリピンの経済は過去5年間で6~7%成長しました。この成長は、特にマニラの不動産市場にポジティブな影響を与えています。

英国の不動産コンサルティング企業ナイトフランクは2017年9月に発表した報告書の中で、マニラのプライムオフィス賃料が2020年までに19.1%成長すると予測しています。これは2010~2016年のデータに基づいて分析・予測したもので、シンガポール(15.8%)やバンコク(11.4%)、香港(10%)の予想を大きく上回っています。マニラ首都圏に属するマカティのオフィス賃料は1平方メートル当たり平均1,362ドルと国内で最も高額ですが、空室率は3.48%と極めて低いです(2018年第2四半期データ)。

ナイトフランク・フィリピン支社の投資不動産および資本市場関連取締役カシュ・サルバドル氏曰く、「フィリピンのオフィス不動産市場は非常に健全で、中央ビジネス地区では空室率が5%以下」だそうです。

政府もオフィス不動産市場の活性化に積極的に取り組んでおり、2017~2022年にかけて約6兆7,900億ペソ(約1,300億米ドル)をインフラに投じる計画です。

インドネシア--スバラヤ、バンドンのマンションが狙い目?

インドネシアの不動産市場の急成長を支えているのは、中産階級の増加と加速する都市化です。

オックスフォード・ビジネス・リサーチの調査によると、2013~2015年は政府の不動産バブル防止策や商品価格の下落、マクロ経済の減速などが成長を妨げましたが、2016年には回復に向かい、2017年以降は6年ぶりに不動産販売が増加すると予測されています。

利下げが続いた2017年から一転、2018年は5.25%まで金利が引き上げられていますが、政府による融資を含めた住宅購入支援策が奏功し、住宅購入者が増える見込みです。また最近実施された不動産投資信託(REIT)税制の改革が、今後数年間で海外直接投資(FDI)の流入を増やすと期待されています。

インドネシアへの不動産投資というとジャカルタが真っ先に思い浮かびますが、ほとんどの主要都市の住宅用不動産が対象になります。グローバル・プロパティ・ガイドの2017年第3四半期のデータによると、最も値上がりした都市はジャワ島のスラバヤ(6.86%増)で、バンドン(5.22%増)、インドネシア最大の都市ジャボデタベック(3.65%増)、ランプン州のバンダールランプン(3.34%)などが続きます。

しかし、インフレを考慮すると住宅価値が実質的に上がったのはスラバヤとバンドンのみで、他の都市では0.15~3.39%も価値が下がっています。

ジャカルタでは2015年以降、オフィス不動産の需要が減っているため、投資するならば住宅用不動産、特にマンションを検討するといいでしょう。カナダの不動産大手コリアーズ・インターナショナルは、マンション価格が2018年末までに6~8%上昇すると予測しています。

文・アレン琴子(英国在住のフリーライター)
 

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