2018.8.23
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不動産投資

海外不動産に投資したいドクターが注目すべき「コモンウェルス」とは?

(写真=MEzairi/Shutterstock.com)
(写真=MEzairi/Shutterstock.com)
節税を図ったり、成長著しいエリアに投資することで資産を増やしたりする目的で、海外不動産投資に関心を持っているドクターは多いでしょう。

たとえばアメリカ・テキサスの中古木造物件の購入や、経済発展が著しく通貨がドル中心で為替リスクが少ないカンボジアのレジデンス、または誰もが一度はバケーションで訪れていてなじみ深いハワイのコンドミニアムなど、いくつも思い浮かびます。

今回はリスクを最小化する海外投資先として、「コモンウェルス」への投資をご紹介したいと思います。

コモンウェルスとは何か?

コモンウェルス(commonwealth)はもともと、共通の利益を図る目的で構成された政治組織体で、国家の一形態のことでしたが、今ではイギリスとその旧植民地からなる53ヵ国のことを指します。

参加国はアフリカや南米の旧イギリス植民地が多いですが、日本人にとってなじみがある、カナダ、オーストラリア、シンガポール、マレーシアなども入っています。これらの国々の人口は20億人以上といわれています。

参加国同士の結びつきは、条約などによる強い拘束力があるものではありません。コモンウェルスは「ゆるい」結びつきといわれていますが、それぞれの国家の発展の過程で歴史や文化を共有してきたため、「ゆるい」とはいえ、深い結びつきがあります。

その証拠に、このグループに所属する国の国民は、各国の国民でありながら、連邦市民権としてビザの緩和が認められています。それ故にグループ内の国の行き来や移住がしやすい環境にあるため文化やスポーツでの交流が盛んです。「コモンウェルスゲーム」というスポーツ大会も4年に一度行われ、その規模はさながらミニオリンピックといえるものだそうです。

そしてこれらのこと以外でも、不動産投資では以下の注目すべき点があります。

コモンウェルスで不動産投資、子どもに教育を受けさせるメリット

コモンウェルスの国々では、それぞれの国家の制度ができる過程でイギリスの影響を受けているため、法体系や権利意識においてもイギリス風の、いわゆる英米法(コモンロー)を採用している国が多いです。

つまり英国流のやり方や法体系が分かっていれば、ほかのコモンウェルスの国々でも応用できるというわけです。

一般に、国が違えば契約や権利に対する考え方が異なります。代表的な例として、所有権などに対する概念が日本と違うことがあげられます。

英米法では、日本でいう所有権はfreeholdといいい、不動産の所有権が永久に個人に帰属する権利をいいます。一方、Leaseholdといって、99年間などかなり長期にわたって利用でき、その権利を第三者に売却可能で、日本でいう借地権に近い概念もあるのですが、契約の期限が来たら返還が前提であることなど、異なる点を理解する必要があります。

日本では土地と建物が別々に登記できますが、コモンウェルスの国々では建物が土地に付属するものとして考えられ、所有者を分けることもできないことも特徴です。

このように海外では日本とは不動産の概念そのものが違うことがあり、不動産の契約を結ぼうとしたとき、法令の条文からは分からない実態があり、投資判断に困ることがあります。

その点で、コモンウェルスは同じ法的な背景を持ちますから、一つの国のことが分かれば、その他の参加国で参考にすることができます。

そして「不動産投資をしたい」だけでなく、「子どもを留学させたい」という意向を持つドクターにも、コモンウェルスに注目すべき理由があります。

例えばシンガポールにコンドミニアムなどの不動産投資をし、子どもを教育留学させる場合です。おそらく医業を目指すことになると思いますが、シンガポールの高校を卒業後にイギリスに留学して医師免許を取得した場合には、イギリス国内のみならず、ほとんどのコモンウェルス国内で医師として活動することができます。

現行法上では日本の医師は日本の国家資格であるため、海外で医師になっても日本国内で活動できるわけではありません。しかしすでに「臨床修練制度」の導入や二国間協定の見直しが検討されているなど、外国人医師も日本で活躍できるような環境が整いつつあります。

これからは医師もグローバル化の時代です。たとえ今、海外で医師として活動させるつもりはなくても、海外に分院したり、海外からのお客様を受け入れたりする必要が生じるかもしれません。海外不動産投資がそのきっかけになるかもしれないのです。

知っている国でも見方を変えることで有望な投資先になる

シンガポールやマレーシア、オーストラリアなどのコモンウェルス参加国でも、文化や生活習慣などは様々です。しかしこれらの国々は英語圏であり、歴史もあって文化・習慣がしっかりしており、比較的理解しやすいといえるでしょう。

海外不動産に投資するのであれば、短期的に大きな利益を上げることではなく、長期的で安定的なリターンがしっかりと見込める国・地域を選ぶ必要があります。今回紹介したのは誰もが知る国々ですが、コモンウェルスという視点はなかったという人もいるはずです。知っているつもりの国であっても、見方を変えることで新たな魅力を感じられるのではないでしょうか。

その国に投資することで、経済的なリターンが得られるだけでなく、子どもの可能性を広げられるかもしれないコモンウェルスには、ぜひ注目してみていただきたいと思います。

文・田井能久(不動産鑑定士/タイ・バリュエーション・サービシーズ代表取締役)

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