2018.11.27
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マネー

暦年贈与のほかには?養子縁組や保険を活用した相続対策

(写真=Indypendenz/Shutterstock.com)
(写真=Indypendenz/Shutterstock.com)
相続対策として、毎年ご家族に暦年贈与をしている医師の方は多いのではないでしょうか。しかし、暦年贈与だけでは相続対策は万全とはいえません。養子縁組や保険を活用した相続対策を組み合わせることで、より効果的に相続税を節税することができます。

相続対策の基本は財産の把握

最もシンプルな相続対策は、暦年贈与を活用する方法です。毎年110万円の基礎控除の範囲内であれば、贈与をしたとしても贈与税はかかりません。つまり、子や孫に毎年110万円ずつ贈与していくことは、最もリスクの低い相続対策なのです。

銀行の担当者や税理士に提案され、暦年贈与を活用した相続対策をしている医師の方は多いでしょう。しかし、暦年贈与だけで果たして相続対策が万全だといえるのか、ご自身の財産状況を踏まえて確認しておくことをおすすめします。

いざ相続が発生して多額の相続税が発生したとき、銀行担当者や税理士は力にはなってくれません。事前に対策し、築き上げてきた財産がきちんと大切なご家族の手に渡るようにしておきましょう。相続対策には、暦年贈与の他にも養子縁組や保険の非課税枠を活用する方法があります。

相続対策をする上で最も大切なのは、財産状況を整理し、正しく把握することです。暦年贈与のようなリスクの低い相続対策ならまだしも、養子縁組や保険を活用する場合は、十分に相続税のシミュレーションをしてから実行するようにしましょう。

相続税は、財産が基礎控除を超えた場合に発生します。基礎控除は3,000万円を基準額として、法定相続人が1人増えると600万円が追加されます。例えば、妻と子1人なら法定相続人は2人となり、基礎控除は4,200万円です。妻と子2人なら基礎控除は4,800万円です。

まずはご自身の財産状況を整理しましょう。預貯金や自宅不動産、土地、株などはもちろん、医療法人の出資金や金などの財産もすべて確認する必要があります。財産をすべて合算しても基礎控除を超えない場合は、相続対策をする必要はありません。

ただし、相続が発生するまでに財産が変動する可能性は大いにあるため、その点も考慮し、相続対策が必要かどうかは慎重に判断しましょう。明らかに財産が基礎控除を超過している場合や、暦年贈与だけでは十分に財産を移転できない場合、養子縁組や保険を活用した相続対策を検討することをおすすめします。

養子縁組を活用した相続対策

養子縁組を活用した相続対策は以前から行われている方法なので、耳にしたことがある方も多いでしょう。養子は実子と同様に、法定相続人としてカウントされます。そのため、養子縁組をすることで基礎控除を増やすことができるのです。

例えば、法定相続人が妻と子1人の場合法定相続人は2人ですが、子の妻と養子縁組をすれば、法定相続人は3人になります。そうすれば、基礎控除が600万円追加され、相続税がかからない財産の範囲が増えることになります。

子の配偶者の他に、孫と養子縁組をするケースも多くあります。しかし、孫養子については特例的に相続税が2割加算され、かえって相続税の負担が大きくなってしまうこともあるため、注意が必要です。

養子縁組は効果的な相続対策ですが、家族関係によっては後にトラブルに発展することもあるため、慎重に検討するようにしましょう。養子には実子と同じさまざまな権利が発生します。遺産分割での発言権も発生するため、必ず専門家のアドバイスを踏まえ、実子に十分説明した上で養子縁組をすることが重要です。

保険の非課税枠を活用した相続対策

生命保険金は遺産分割の対象とはなりませんが、「みなし相続財産」として相続税の課税対象となります。ただし、法定相続人1人につき500万円までは非課税とされています。

例えば、夫が死亡し妻と子1人が遺されたとき、法定相続人は2人なので、1,000万円までは保険金を受け取ったとしても相続税はかかりません。財産総額が基礎控除を超える場合、現金1,000万円に対しては相続税が課税されますが、保険として払い込めば1,000万円はそのまま相続人が受け取ることができます。なお、相続税の対象となる保険とは、夫が被保険者であり、夫が保険料を負担していた場合です。

既に死亡保険に加入している場合は、非課税枠を計算し、上限ぎりぎりまで加入すると効果的です。まだ死亡保険に加入していない場合は、非課税枠の範囲内で加入を検討しましょう。

文・木崎 涼(医療機関専門のファイナンシャル・プランナー/M&Aシニアエキスパート)

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