2018.11.26
/
マネー

110万贈与だけじゃない!贈与税の非課税を活用して相続対策する方法

(写真=Andrii Yalanskyi/Shutterstock.com)
(写真=Andrii Yalanskyi/Shutterstock.com)
多くの医師が頭を悩ませる問題の一つに、相続問題があります。せっかく築き上げた財産を、大切なご家族に遺したいと思うのは当然のことです。相続時に一気に引き継ごうとすると多額の相続税がかかるリスクがあるため、早めに対策をしておくことが重要です。

相続対策として贈与が有効な理由

相続対策をしなくてはと思いながらも、日々の診療が忙しくてなかなか考える暇がないという医師の方は多いのではないでしょうか。しかし、万一のことがあったときに多額の相続税の負担が発生してしまうと、ご家族に負担をかけてしまうことはもちろん、経営にも影響が出かねません。

一家の主として、経営者として、相続対策をしておくことは極めて重要です。相続対策は早めに取り掛かるほど選択肢も多く、ローリスクで進めることができます。また、相続対策はタイミングを逃してしまうと使えなくなってしまうものも数多くあるため、40代、50代のうちから始めるようにしましょう。

相続税は、相続や遺言で財産を受け取った人にかかる税金です。相続税には基礎控除という税金がかからない範囲が設定されており、基礎控除の範囲内であれば、相続が発生しても相続税はかかりません。

まずは、不動産や預貯金などの財産を整理し、基礎控除を超えるかどうかを把握しておく必要があります。財産が基礎控除の範囲内に収まるのであれば、相続対策をする必要はありません。財産が基礎控除を超えるか否かの瀬戸際である場合や、基礎控除を大幅に超える場合は、早急に相続対策を進める必要があります。

基礎控除は法定相続人の人数によって変わります。例えば法定相続人が妻だけだとしたら、基礎控除は3,600万円です。これ以降法定相続人が1人増えるごとに600万円を足していくことになります。家族の人数が多ければ、基礎控除の範囲も大きくなります。

基礎控除を超える場合、基礎控除が超えた部分に対して相続税がかかります。相続税の税率は10%から55%までで、財産が大きくなるほど税率も高くなります。そのため、基礎控除を超える場合は、相続が発生する前に財産を少しでもご家族に贈与しておくことが最も効果的な相続対策になります。

110万円贈与でシンプルに相続対策する方法

財産をご家族に贈与した場合、受け取ったご家族は贈与税を納める必要があります。しかし、贈与税にも基礎控除があり、毎年110万円までなら財産を受け取ったとしても贈与税は課税されません。

110万円の贈与の基礎控除を使った相続対策は最もシンプルで、わかりやすい相続対策です。贈与税も発生しないため、相続税と贈与税のシミュレーションをする必要もありません。明らかに相続税が発生しないと確信できる場合以外は、早めに110万円の贈与をしておく方が安心です。

例えば子が3人いる場合、それぞれに110万円を10年間贈与したとすれば、3,300万円もの財産を無税で移転することができます。もちろん、子だけでなく孫や親戚に贈与するのも効果的です。財産を遺したいと思うご家族には、110万円贈与を活用して生前に財産を移転しておきましょう。

贈与税の非課税を効果的に活用する方法

贈与税には基礎控除の他に、非課税の特例があります。経済活性化のため、親世代から若い世代へと財産を移転することを国は推奨しており、そのため現在は3種類の非課税の特例が定められています。

一つ目は「住宅取得資金の贈与」です。父母・祖父母などの直系尊属から20歳以上の子・孫に、自宅の新築・取得・増改築のための費用を贈与した場合、最大3,000万円まで贈与税が非課税になります。

二つ目は「教育資金の一括贈与」です。父母・祖父母などの直系尊属から30歳未満の子・孫に、金融機関等の契約で教育にまつわる資金を贈与した場合、1,500万円まで贈与税が非課税になります。

三つ目は「結婚・子育て資金の一括贈与」です。父母・祖父母などの直系尊属から20歳以上50歳未満の子・孫に、金融機関等の契約で結婚・子育て資金を贈与した場合、1,000万円まで贈与税が非課税になります。

110万円の贈与はローリスクでできる相続対策ですが、時間がかかる上に移転できる財産にも限界があります。110万円の贈与では十分に財産を移転できないというときは、贈与税の非課税を活用して相続対策をすることをおすすめします。贈与税の非課税はライフイベントに関わるため、タイミングを逃すと活用できません。チャンスを逃さないよう、早めに対策しておきましょう。

文・木崎 涼(医療機関専門のファイナンシャル・プランナー/M&Aシニアエキスパート)

【オススメ記事】
良い資産運用コンサルタントを見極める4つのポイント
プライベートカンパニーの設立は難しい?
資産運用コンサルに相談する前にすべき2つのこと
歯科医師が考えたい節税3つの極意
勤務医だからできる節税 勤務医だからすべき節税
PREV 暦年贈与のほかには?養子縁組や保険を活用した相続対策
NEXT 【プラチナ・ブラック】開業医のステータスに見合う4種のクレジットカード

関連記事

公式Twitterアカウント