2018.8.18
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マネー

仮想通貨だけの技術ではない「ブロックチェーン」は医療業界も変えるのか?

(写真=NicoElNino/Shutterstock.com)
(写真=NicoElNino/Shutterstock.com)
仮想通貨の代表格とも言えるビットコインの登場とともに、その存在が世界に知られるようになったブロックチェーン技術。この先端技術が医療業界にさまざまな革新をもたらすと言われていることをご存じでしょうか。

ブロックチェーンとは?

ブロックチェーンは「電子型台帳技術」や「分散型台帳」などと呼ばれる新しい技術の一つで、仮想通貨ビットコインを支える基幹技術として誕生しました。簡単にいうと、ネットワーク上のブロックに情報を記録して、それを連結させてデータベースを構築していく仕組みで、情報の改ざんがほぼ不可能と言われていることや、管理者が不在であること、情報の追跡が可能であることなどが特徴です。

こうした特徴を持つブロックチェーン技術は、医療業界でどのように活用されようとしているのでしょうか。

医師の治療情報や患者の健康情報などを記録

ブロックチェーンの特徴を活かして誕生しつつある仕組みの一つは、医師による治療や患者の健康情報などをブロックチェーン上に記録しようというものです。

そのプラットフォームをさまざまな医療機関が共有できる仕組みを作れば、患者が別の医療機関で診察を受けても過去の治療記録などをすぐ参照でき、またブロックチェーン上に記録されていることから、それらの情報が紛失する可能性も極めて低くなります。

また個人に紐付けられた医療情報の公開範囲を個人が指定できる仕組みなども模索されており、これによって患者本人の医療記録が意に沿わない形で拡散されることも防ぐことができると言われています。

治療記録の改ざん防止にも役立ちます。これは患者側にとっては大きなメリットの一つと言えるでしょう。また医師が情報にアクセスするまでの時間が短くなれば、医師の労働時間も患者の待ち時間も減ることにつながります。

医師や患者を直接結び付けるプラットフォームにも

ほかにもブロックチェーンを使って、医師や患者を直接結び付けるプラットフォームが構築できるという期待も高まっています。

これまで開業医などが患者などにリーチするためには、費用を払って広告することが必要でした。しかしブロックチェーンを活用し、医師のクチコミ情報などで信頼性を担保できる仕組みを構築できれば、仲介役である広告代理店などを利用する必要性がなくなるかもしれません。

この仕組みをオンライン上でも利用できるようにしようとするプロジェクトも進行中です。開業医の方も本人の医療スキルをより活かすことができる場面が増えていく可能性もあり、患者にとっても病状に合わせて担当医をより選びやすくなるというメリットがあるでしょう。遠隔治療でもこのプラットフォームは活躍しそうです。

さらにオンライン上でのこうした医療サービスの対価の受け取りと支払いに仮想通貨を使えば、二国間などでの支払いも手数料が安く、決済完了までの所要時間が短くなると言われています。

また医療機関で購入・使用する医薬品の安全性を確保するためにブロックチェーンを活用する取り組みも始まっています。

医薬品の流通経路や製造過程などの透明性が増せば、使用する医薬品の安全性の確認が容易になり、偽造された医薬品が医療業界で流通することを防ぐことにもつながります。

ブロックチェーンの活用にはデメリットもある

このようにブロックチェーンと医療を組み合わせたプロジェクトが、近年になって多く誕生しています。

これにはデメリットも考えられます。ブロックチェーンは基本的に誰でもアクセスでき、その情報はトレーサブル(追跡可能)です。たとえば医療情報をブロックチェーンに記録する取り組みの中で、公開したくない情報まで記録されてしまう懸念があります。個人情報の塊である医療情報が悪用されないとも限りません。

数々のデメリットや課題を解決しながら、これからも研究・開発、実証実験が続けられるでしょう。まだまだ多くのプロジェクトが開発や資金集めの段階で、普及にはもう少し時間が掛かるかもしれません。しかし、医療の現場でもブロックチェーンが欠かせない技術として使われる日は近づいていると言えます。

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)

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