2018.7.17
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医師・歯科医師がプライベートカンパニーを設立したほうがいい理由

Platoo Fotography / shutterstock.com
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病院勤務の医師・歯科医師は、給料から引かれている税金が高いと感じるかもしれません。個人の所得税は塁進課税であり、所得が多くなるほど税率が上がります。

一方、法人は年800万円以上の所得であれば税率は一定であり、所得が上がるほど個人より法人税率のほうが低くなります。つまり、プライベートカンパニーを活用することで節税が可能なのです。勤務医がプライベートカンパニーを設立するメリットや注意点について見ていきましょう。

プライベートカンパニーとは

プライベートカンパニーとは個人や同族などが設立した会社です。プライベートカンパニーは、金融資産や不動産などの個人資産の管理や小規模事業を目的として設立されることが多いようです。

勤務医・勤務歯科医を続けながらプライベートカンパニーを設立し、資産の管理や収入の一部をプライベートカンパニーに入れることで節税できます。

プライベートカンパニーのメリット

医師・歯科医師がプライベートカンパニーを設立するメリットを5つ紹介します。

メリット1 税率が違う

メリット一つめは税率の違いです。2015年以降の個人の所得税の税率は、課税所得金額が900万円を超え1,800万円以下で33%、1,800万円を超え4,000万円以下で40%となっています。それに加えて住民税が掛かりますが、東京都の場合は約10%です。例えば、所得2,000万円の人は、2,000万円から所得控除などを引いた額から約50%が課税されることになります。

法人(所得が年800万円以上)の税率は、2018年度では23.2%で地方税を合わせた法人実効税率は29.74%となっています。つまり、所得が高いほど個人よりも法人の税負担が軽くなることが分かります。

メリット2 経費計上できる範囲が違う

次に挙げられるのが経費に計上できる範囲に違いがあることです。法人の方が経費にできる支払いが多いため、その分節税になります。例えば、プライベートカンパニーの事業に関連する医学書やパソコンの購入費用、携帯電話の料金なども経費にできる可能性があります。

メリット3 小規模企業共済に加入できる

小規模企業共済に加入できることもメリットです。小規模企業共済とは、小規模企業の経営者や役員などのための退職金制度で、将来に一時金や年金として受給できるように積み立てておくものです。この掛金の全額が所得控除の対象となるため節税になります。

メリット4 法人保険が活用できる

メリット四つめは、法人保険の活用です。法人保険の中には、保険料の全額または半額を経費として処理できるものがあります。しかし、気を付けなければいけないのが、将来受け取ることになる保険の解約返戻金についてです。解約返戻金は課税の対象となるため、そのままでは税金の繰り延べにしかなりません。解約返戻金を節税するには、解約時に損金が発生する経営イベントを利用することが有効です。例えば、プライベートカンパニーの役員退職金を損金計上することにより節税する方法などがあります。

メリット5 財産を承継しやすくなる

メリット五つめは、相続財産を後継者へ承継しやすくなることです。例えば、不動産相続において、個人として不動産を相続するよりも不動産を所有しているプライベートカンパニーの株式の承継をした方が節税効果を大きくできます。

プライベートカンパニーのデメリット

続いてプライベートカンパニーを設立するデメリットを確認していきましょう。

デメリット1 設立・運営にコストがかかる

デメリット一つめは、設立と運営に費用と手間がかかることです。会社設立を専門家に依頼する場合には、株式会社で25万円から30万円程度、合同会社で10万円から15万円程度の費用が必要になります。運営については税理士への顧問料などがかかり、税金については会社が赤字であっても法人住民税を一定額払う必要があります。

デメリット2 法人情報が公開される

デメリット二つめは、プライベートカンパニーへの営業電話やダイレクトメールがあります。会社の住所や役員の氏名などは法務局で閲覧できる他、会社の信用情報を収集している企業からそれらの情報が提供されるため、会社の情報は知られることになり、営業活動に利用されます。

デメリット3 法人保険では損をすることもある

デメリット三つめは、法人保険の利用によっては損をすることがあるということです。法人保険は解約のタイミングによっては解約返戻金が大きく減ることもあるのです。法人保険の利用については、途中解約のリスクと満期時の解約返戻金の節税を考慮しておく必要があるでしょう。

勤務医・勤務歯科医がプライベートカンパニーを設立する前の注意点

プライベートカンパニーを設立する前に注意すべき点があります。プライベートカンパニーを設立したら、プライベートカンパニーとして受け取る報酬と個人として受け取る収入を分ける必要があります。プライベートカンパニーの報酬例としては、講演や原稿執筆、勤務先以外の医療機関などへの医療コンサルティングや医学的なアドバイス業務などがあります。

勤務先の医療機関からの収入の一部をプライベートカンパニーへの報酬として処理できれば節税メリットが大きくなりますが、それには勤務先の承諾が必要になります。またその場合は、税務署に課税をくぐり抜ける行為である租税回避とみなされる恐れもあります。そのため、プライベートカンパニーは何の業務で報酬を得ているかを明確に説明できることが求められます。プライベートカンパニーが受け取る報酬などについては、医療関連に詳しい税理士などの専門家に事前に相談することをおすすめします。

このようにプライベートカンパニーを設立し、活用することで節税が可能となります。節税したいならプライベートカンパニーの設立について検討してみてください。

文・松本雄一(ビジネス・金融アドバイザー)

 

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