2018.12.11
/
開業・経営

開業医だからこそ悩む「妻を経営にどこまで関わらせるべきか」

(写真=wavebreakmedia/Shutterstock.com)
(写真=wavebreakmedia/Shutterstock.com)
開業医の妻の医院経営への関わり方はさまざまです。経理を担当するケースもあれば、受付・看護師として診療所に出勤するケースもあります。妻の関わり方も診療所の成功を左右する重要なファクターなので、どのような関わり方がいいか見極めるようにしましょう。

受付・看護師として他のスタッフと勤務する

妻が看護師や薬剤師の資格を持っていたり、受付スタッフとしての経験があったりする場合は、他のスタッフと一緒に診療所に勤務してもらうのも一つです。開業当初は患者数が少ないため、固定費である給与の負担は大きくなりがちです。妻がスタッフの一員として働いてくれることは、とても心強いことでしょう。

特に開業当初は患者数が読めなかったり、スタッフもまだ不慣れだったりするため、それなりの人員体制にしておかなければならないでしょう。しかし、妻がサポートしてくれるのであれば、賃金の発生するスタッフの人数は最小限にとどめ、患者数に応じて妻に診療所に来てもらうことができます。患者数が読めず、固定費を抑えたい開業当初は、融通のきく妻の存在は大きな支えとなります。

また妻がスタッフの一員として働くことで、患者対応などの接遇面や業務の効率化などについて、さまざまな意見をもらうことができます。診察室にいる院長の目の届かない部分も、妻から報告を受けられれば安心です。診療所全体のサービスが向上することで、増患にもつながるでしょう。

コミュニケーション能力の高い妻がスタッフをまとめてくれることで、スタッフ同士のいさかいが減ることも期待できます。仮にいさかいが起きても、妻が仲裁役になってくれれば、院長は安心して診療に専念することができます。妻のモチベーションがスタッフに良い影響を与え、全体的な接遇力が向上することもあります。

一方で、妻が職場にいることでスタッフが委縮してしまうこともあります。すべてを妻に任せるのではなく、時には院長自らスタッフとコミュニケーションをとり、妻とスタッフの関係に問題がないか確認するようにしましょう。

また、妻が何でも指示をし過ぎると、スタッフの自主性が損なわれてしまうことがあります。妻が倒れた場合に診療所が機能しなくなるといったことがないよう、業務の分担やスタッフの育成を進めるよう妻に依頼することも大切です。

管理スタッフとして会計や労務を担当する

妻は診療所に出勤せず、縁の下の力持ちとして経理を担当するケースも多くあります。小さな診療所であれば、経理や労務、保険手続きなどをすべて担っている場合もあるでしょう。

会計や労務といったお金・人事にまつわることは、信頼できる相手にしか任せることができません。外部から雇い入れるとなると、担当者の入れ替わりについて気をもむことになります。その点で、人生のパートナーでもある妻になら安心して任せることができます。

会計や労務は、日々の作業や手続きは妻に一任したとしても、重要な意思決定や財産状況の把握は必ず院長自身が行うようにしましょう。保険外交員や税理士の対応は妻が担うとしても、意思決定の前には内容をよく確認し、誤った選択をしないよう注意することが大切です。

子供の教育や家庭に専念する

妻は経営には携わらず、家庭を守ってほしいという院長もいます。その場合、会計や労務を担当するスタッフを雇うことになります。経理専門のスタッフを雇うこともあれば、受付スタッフの中から信頼できる人を選んで経理業務を任せることもあります。

スタッフに経理や労務を任せる場合は、秘密が守れるかどうか、責任感を持ってやり遂げられるかどうかなど、人物をよく見極めるようにしましょう。また、他のスタッフとの関係性にも配慮することが重要です。特に給与情報などは非常にデリケートなので、情報を漏えいしないかどうかも含めて人選は慎重に行いましょう。

業務を担わなくても、時々差し入れを持って行くなどの形で妻が職場に出入りしたほうが、いざという時のスタッフとの連絡などがスムーズに運ぶ場合もあります。このように妻が直接業務を担わない場合も、別の形でスタッフと何らかの関りを作っておくのも一つです。

文・木崎 涼(医療機関専門のファイナンシャル・プランナー/M&Aシニアエキスパート)

【オススメ記事】
医療法人を設立するときに知っておきたい5つの注意点
病院開業のための不動産選び
全国の病院・診療所数、病床数の推移 都道府県別、施設種別での傾向はどうか
医院の承継を考えている歯科医師が準備しておくべき節税
開業したい医師・歯科医師が早くからやっておくべきこと
PREV 米国の医師の給与は高過ぎる?日本の2倍は本当?
NEXT 医療法人のM&Aのメリット・デメリットとは

関連記事

公式Twitterアカウント