2018.8.28
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開業・経営

医院・会社ではなく自分自身のB/S、P/Lを作成してみる

(写真=Boophuket/Shutterstock.com)
(写真=Boophuket/Shutterstock.com)
クリニックを経営している方ならば、B/S(貸借対照表)やP/L(損益計算書)などの財務諸表で自身のクリニックの経営状態をしっかりと把握していることと思います。この手法を、クリニックではなく、自分自身の財政状況の把握に活用してみてはいかがでしょうか。

B/SやP/Lを作ることのメリット

企業を経営していくうえでB/S、P/Lは欠かすことのできない大切な財務諸表です。B/S、P/Lを作成することによって、企業の経営状態を的確に把握することができます。

企業の決算書において、B/Sはある時点での資産、負債、純資産を表すものです。P/Lは企業の一会計期間における経営成績を示し、収益や費用、その差額である利益を知ることができます。

クリニックの経営状態もB/S、P/Lを活用する事により、的確に現状を把握することができます。皆さんもクリニックの経営状態はしっかりと把握していることと思いますが、自分自身の経営状態はいかがでしょうか。

自分の現状を的確に把握するためにも、ぜひ経営している医院・クリニックや会社だけでなく、B/S、P/Lの考え方を自分自身に置き換えて考えてみることをおすすめします。

自分自身のB/S、P/Lをどうやって作るのか?

自分自身のB/S、P/L作成の基本的な考え方はクリニックと同様です。B/Sではある一時点において自分がどれくらいの価値のある財(資産)を築いているか、お金の借り入れはどのくらいか(負債)、資産から負債を差し引いた財産がどのくらいあるか(純資産)を整理します。これにより現在の自分がどれぐらい資産を築いてきたのかを把握することができます。

B/Sを項目別に詳しく見てみると、資産には現金、有価証券、保険、不動産、自動車、絵画、時計、宝飾品などの財産が入ります。負債には住宅ローンや自動車ローン、学資ローン、クレジットカードの支払い、奨学金などの各種借入金が入ります。純資産はこれらの資産から負債を差し引いた分が入ります。

P/Lでは、ある期間において自分がどのくらい稼ぎ(収益)、何にどのくらい使い(費用)、どのくらい残ったのか(利益)を整理することができます。個人のP/Lを考える際は期間を1カ月や1年にすると良いでしょう。

P/Lも項目別に見ていくと、収益は月給やボーナスなどの給与収入や利息、配当、家賃収入などのインカムゲイン、不動産や株式などの値上がり益となるキャピタルゲインがこれに当たります。

費用は食費、交通費、光熱費、医療費、交際費、居住費、教育費、保険料、税金などや支払利息などのインカムロス、株式などの値下がり損によるキャピタルロスなどがこれに当たります。利益は収益から費用を差し引いた金額です。

人とのつながりも資産に入れて考える

ここまでご紹介してきたB/S、P/Lの作り方は主に金融資産を対象にしてきましたが、実は自分のB/S、P/Lを作成する場合には金融資産以外の、目に見えない財産を記載することも大切です。

例えば知識やスキル、人脈、健康、信用といった「人的資本」がこれに当たります。専門的な知識や高度なスキルは将来のキャリアにつながり、結果的には自身の収入増加につながる大切な資産です。病気などによって仕事が出来なくなることも考えられるので、それを防ぐ健康も大切な無形資産です。その他人脈や信用など目に見えない人的資産も同様です。

これらの人的資本もB/S、P/Lに記載することによってより正確に自分の現状を把握することが可能となります。

金融資産だけでなく、人的資本を含む個人のB/S、P/Lを作成することによって自分自身の正確な現在の状況を把握することができます。時間がなくてB/S、P/Lなんて作成できないという方は、頭の中で大まかに考えてみるだけでも役に立つのではないでしょうか。

文・右田創一朗(元証券マンのフリーライター)

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